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2010年 01月 05日 ( 1 )

抗アクアポリン4抗体の病原性

昨年11月のGuthy-Jackson慈善財団主催のroundtableカンファレンスでUCSFのAlan Verkman教授が発表されたNMOの動物モデルの研究がBrainのon-line版で報告されています。これはイギリスのロンドン大学、オックスフォード大学、アメリカのUCSFの共同研究です。

以前のブログでも紹介しましたが、この研究はNMOにおける抗アクアポリン4抗体の病原性を証明するとても意義のある研究成果です。

この研究では、NMO患者の血清から抽出したIgGをヒト補体と同時にマウスの脳に直接接種することで、12時間後にはアクアポリン4の欠失を主体とするNMOの病変が形成され、7日後には病変由来の臨床症状を呈したと報告しています。

当然ながら、NMOでない人のIgGでは発症せず、アクアポリン4を欠損するマウスでも発症していません。また補体が同時に接種されなければ発症せず、補体がNMOの病変形成に不可欠であることを示唆しています。

これまで、NMOの病変を形成するには炎症を惹起する自己反応性のT細胞の存在が不可欠と考えられていましたが、抗アクアポリン4抗体と補体が中枢神経に存在するだけで病変が形成されることを証明しており、補体依存性ではありますが、抗アクアポリン4抗体単独の病原性が明確になりました。

今回の研究報告から更に明らかになったことは、NMOの治療ターゲットとして、1.抗アクアポリン4抗体の除去か産生阻止、2.補体の除去、3.抗アクアポリン4抗体の中枢神経への移行阻止の3つに重点をおくべきであるということだと考えます。

Saadoun S, et al. Intra-cerebral injection of neuromyelitis optica immunoglobin G and human complement produces neuromyelitis optica lesions in mice. Brain Advance Access published on January 4, 2010.


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by multiplesclerosis | 2010-01-05 09:53 | 文献
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