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PACTRIMS報告

マレーシアのクアラ・ルンプールで第1回のMSの治療と研究に関するアジア会議(PACTRIMS)が開催されました。
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日本、中国、韓国、台湾、香港などの東アジア、トルコ、イランなどの中東アジア、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピンなどの東南アジア、インドなどの南アジアに加え、オーストラリア、ニュージーランドも含めた国々から300名以上の参加と欧米から10名程度の招待があり、丸2日間にわたって講演、シンポジウム、ポスター発表などが行われました。過去5年間はMSフォーラムという団体が主催する会議を同じような形式で開催していましたが、その会議が今回新たな学会として発展した形になります。

オセアニアを除くこの地域におけるMSの有病率はとても低く、経済的理由もあってMS診療のレベルはまだまだ欧米に比べると見劣りします。MSを診ることのできる専門医の数も少なく、基礎研究や臨床研究もほとんど行われていません。また、この地域のMSは欧米のMSとはかなり異なった特徴を持っており、MSと診断されていた症例の中における視神経脊髄炎(NMO)の割合も日本以上に高いことが予想されています。

欧米から発信されるMSに関する情報がそのままアジアのMS全体に当てはまるわけではないため、この地域におけるMSやNMOなどの関連疾患の特性を把握し、独自の研究を通して診療に役立てていく必要があります。今後、我々もアジアの他の国々の研究者と共同でアジアのMSの臨床研究を進めていく予定です。
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講演の中では、東京女子医大学の清水先生がとてもためになるお話をしてくれました。インターフェロンβ投与における妊娠への影響に関するいくつかの論文をまとめてレビューいただいたのですが、インターフェロンβと流産あるいは低体重出産との関連がよくわかりました。QOLと共に、妊娠・出産、性などの問題はこれから大いに注目していこうと思います。中島
by multiplesclerosis | 2008-11-27 18:27 | 学会報告
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