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ECTRIMS 2012

f0183250_12472056.jpg2012年10月10日~13日の期間、フランスのリヨンで第28回ヨーロッパ多発性硬化症会議(ECTRIMS)が開催されました。年々規模が大きくなるECTRIMSですが、今年は7000人以上の参加があったようです。多発性硬化症というひとつの病気の診療と研究に関わる人のみが参加しているにもかかわらず、数日間で7000人以上も集まるのは驚異的です。当然、多発性硬化症の診療と研究に関するありとあらゆるテーマが議論の対象となり、MS以外の話題はありません。

リヨンは第1回のECTRIMSが開催された都市であり、この時は参加人数180人だったそうです。また、デビック病(NMO)のデビック先生の地元でもあります。

今年のECTRIMSは大きな話題に乏しかったものの、昨年日本でも承認されたフィンゴリモド(ジレニア/イムセラ)の他、今年アメリカで承認されたテリフルノミド、臨床試験中のラキニモド、BG-12、新しいS1P受容体作動薬のポネシモドなどの経口治療薬の臨床試験結果や展望についての講演が目立ちました。ポスター演題でも、フィンゴリモドの長期投与試験、ONO-4641を初めとするフィンゴリモド以外のS1P受容体作動薬の開発状況、テリフルノミド、ラキニモド、BG-12などの開発中の経口薬の良好な臨床試験結果が発表されていました。

f0183250_1247585.jpgNMOに関しては、精神・神経医療研究センター病院の荒木先生や山村先生が発表されたトシリズマブの再発予防効果が注目されていましたが、ルール大学からも、リツキシマブに治療抵抗を示した3例のNMOで劇的にトシリズマブが効いた、と発表がありました。今後の開発が期待されます。UCSFからはMSで開発中のアレムツズマブが効果を示したNMOの1例が報告されていました。同じくUCSFからは、NMOの病変形成に好酸球の関与を示唆する実験結果が報告され、その好酸球の抑制に、ある種の市販済みの抗アレルギー剤が有効であることも発表されていました。

新しい治療法がどんどん開発されていて、いずれも効果が高く期待はできますが、むしろこれだけオプションが増えると、高い効果よりも安全性が重視される傾向が強くなると予想されます。例えば、すでにドイツなどで長年乾癬治療に用いられているBG-12は胃腸障害が目立つものの重篤な副作用の報告がなく、次世代のMS治療薬として最も期待が高い印象です。また、高脂血症治療剤による進行抑制効果、ビタミンD製剤によるインターフェロンβとの相乗効果、イブジラストによる脳萎縮抑制なども報告されており、安く安全な治療法の開発も報告されていました。


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by multiplesclerosis | 2012-10-14 12:55 | 学会報告
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