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視神経脊髄炎の発症に高CK血症が先行した3症例


 視神経脊髄炎(NMO)の病態および診断において血清中の抗アクアポリン4抗体(AQP4抗体)が重要ですが、未だAQP4抗体出現やNMOでの病態機序は完全に解明されてはいません。AQP4は中枢神経のみならず骨格筋の筋細胞膜にも発現していることが知られています。今回、私たちは東北大神経内科の過去のAQP4抗体陽性NMO症例733例を後向き研究で検討した結果、NMOの発症に先行してCKが非常に高値をとる高CK血症を呈した3例を見出し、Neurology誌に報告しました。

 これらの症例の存在は骨格筋における高CK血症がNMOの発症機転に関与していることを示唆していると考えています。病態仮説として1. 何らかの要因により筋が破壊されAQP4が免疫系に暴露されることによりAQP4抗体の産生が促されNMOの発症に結びついた、2. すでに存在するAQP4抗体が骨格筋細胞膜および中枢神経系の両方を障害しそれぞれ高CK血症とNMOを惹起した、3. 骨格筋の崩壊がBBBの破壊を誘発し中枢神経内へのAQP4抗体流入の引き金となった、などを想定していますが、いずれも今後の症例の蓄積や実験的検証が必要です。
(東北大学神経内科 鈴木直輝)

Suzuki N, Takahashi T, Aoki M, Misu T, Konohana S, Okumura T, Takahashi H, Kameya S, Yamaki K, Kumagai T, Fujihara K, Itoyama Y. Neurology. 2010 May 11;74(19):1543-5.


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by multiplesclerosis | 2010-05-22 23:15 | 研究成果
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