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視神経脊髄炎によるナルコレプシー

視神経脊髄炎(NMO)では脳病変はけして珍しくはありません。延髄病変では頑固なしゃっくりや激しい吐き気で胃腸炎と誤診されたり、脳腫瘍のような大きな病変で片麻痺が生じたり、小脳病変でふらつきが見られたりすることもあります。
その中で、視床下部は比較的病変が起きやすく、過眠症が症状としてみられることがあります。

過眠症を生じる代表的な疾患はナルコレプシーと呼ばれる病気で原因がよく分かっていません。MSと似たようなHLAが関連しており、自己免疫的機序の関与が疑われており、視床下部におけるオレキシン(別名ヒポクレチン)と呼ばれるホルモンの分泌が低下することで日中の覚醒度が低下すると考えられています。

f0183250_2251726.jpgNMOの視床下部病変でオレキシンの分泌が低下し、日中過眠症を生じることはこれまでにも報告されていましたが、私たちは初発症状が視床下部病変による過眠症で、髄液オレキシンが低下し、脳波検査でも睡眠潜時の短縮や睡眠時REMを認めた症例をJournal of Neurologyで報告しています。

ナルコレプシーと診断される症例の中にもNMOが潜んでいる可能性があり、MRIによる視床下部病変が存在する場合には抗アクアポリン4抗体の測定が重要であると考えます。

Baba T, et al. Narcolepsy as an initial manifestation of neuromyelitis optica with antiaquaporin-4 antibody. J Neurol (2009) 256:287–288


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by multiplesclerosis | 2009-03-07 22:01 | 文献
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