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カンナビノイド系がん疼痛治療剤「サティベックス」による痙縮改善効果

カンナビノイド系がん疼痛治療剤「サティベックス」による痙縮改善効果_f0183250_018927.jpgGW Pharmaceuticals は、多発性硬化症による痙縮(つっぱり)に対して医療用麻薬製剤であり、がん性疼痛治療剤として用いられるサティベックス(Sativex®)(口腔内スプレー)を服用中の患者さんに対し、二重盲検にてプラセボ(偽薬)に切り替え、投与継続群と比較する臨床試験をイギリスで行いました。

平均3.6年間サティベックスを服用中の36人の多発性硬化症患者をランダムに2群に分け、一方の群にはサティベックスの代わりにプラセボ(偽薬)を投与し、もう一方の群はサティベックスを継続して4週間後の変化を二重盲検で比較しました。

プラセボに変更した群は有意に早く治療から脱落し、自覚的および介護者によって痙縮が増悪したと感じた度合が有意に大きかったとしています。つまり、サティベックスを中止することで痙縮が悪化することが確かめられました。
また、サティベックスを中止することによる離脱症状は見られず、副作用もプラセボ群と差はなく、いずれも軽微なものであったとしています。

Positive Results in Randomized Withdrawal Sativex® Study Confirm Long Term Efficacy in MS Spasticity

ちなみに、米国におけるサティベックスの開発・販売権は大塚製薬が取得しています。また、GW Pharmaceuticalsは2005年にカナダにおいて、「多発性硬化症に伴う神経因性の疼痛治療(上乗せ投与)」という適応を取得し、バイエル社が販売を行っています。日本にも早く導入を検討してもらいたいものです。

大塚製薬とGWファーマシューティカルズ カンナビノイド系がん疼痛治療剤「サティベックス(Sativex®)」の米国におけるライセンス契約締結


by multiplesclerosis | 2009-02-26 17:31 | ニュース
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