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授乳がMSの再発を予防する?

アメリカのスタンフォード大学のグループが32人のMS妊婦と、29人の健常人妊婦を出産1年後まで追跡調査を行って、授乳による再発予防効果について解析しています。

MS妊婦の約半数が出産後2か月以内に授乳を止め、母乳の代わりにミルクで育てており、そのうちの87%が出産後1年以内に再発をしていました。一方、母乳の授乳を出産後2か月以上続けたMS妊婦で出産後1年以内に再発したのは36%と大きな差がありました。

授乳を止めた症例の60%はその理由を予防薬(インターフェロンなど)の再開と答えていましたが、母乳かミルクかに拘わらず、出産後2か月以内に薬を再開した妊婦は再開しなかった妊婦と比較して1年以内に再発するリスクが有意に高かったと報告しています。

これまでは、MS患者さんが出産された場合、できるだけ早期に授乳を止め、インターフェロンを再開して再発予防することが勧められてきましたが、授乳を行っている状態の方が再発予防効果が高い可能性が示唆されました。このことは、授乳を続けた人の方が、授乳を止めた人よりも月経の再開が遅れることと関係しているかもしれません。

いずれにせよ、MS患者さんが出産後の授乳を続けるかどうかは非常に重要な問題であり、今後更なる多数例での解析が待たれます。

この研究結果は4月にシアトルで開催されるAmerican Academy of Neurologyで発表される予定です。


Breastfeeding Reduces Multiple Sclerosis Relapse Risk
 
by multiplesclerosis | 2009-02-21 09:11 | ニュース
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