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フィンゴリモド(イムセラ、ジレニア)の導入について

フィンゴリモド(イムセラ、ジレニア)の服用後の徐脈等による重篤な合併症を防ぐため、改訂された添付文書や、欧州医薬品庁の評価報告なども参考にして当院では以下のような対策をしております。当院でのフィンゴリモド導入時には原則2泊3日の入院が必要です。

1.投与前の12誘導心電図異常の確認を徹底しています。不整脈があれば投与しません。
2.原則、投与前日朝から入院し、前日から心拍モニターを装着し脈拍数を監視します。
3.投与後も心拍モニターを装着し、24時間脈拍数を監視します。
4.血圧を、投与後6時間までは2時間おきに、その後も3~6時間おきに翌朝まで測定します。
5.投与後6時間で12誘導心電図検査を施行します。
6.投与前2週間、投与前日、投与翌日、投与後2週間で血液検査を施行します。
7.抗不整脈薬を内服中の患者さんには投与しません。
8.高血圧、心筋梗塞、狭心症、糖尿病の既往・治療歴のある患者さんにも原則投与しません。
9.非典型的なMSには原則投与しません。

以上は当院での独自の対策であり、必ずしもすべての施設において導入されるものではありません。
尚、現時点ではインターフェロンβ投与に問題のある患者さん(副作用、中和抗体陽性、効果不十分など)に導入をお勧めしています。
 
添付文書改訂に関する田辺三菱からのプレスリリース
http://www.mt-pharma.co.jp/release/nr/2012/pdf/MTPC120321_IMU.pdf

欧州医薬品庁からの評価報告書(英文)
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Medicine_QA/2012/04/WC500125689.pdf


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by multiplesclerosis | 2012-04-29 18:40 | お知らせ

ジレニア(FTY720)がヨーロッパでも承認間近

Breakthrough: Gilenya is appropriate for patients with two serious forms of MS and is the first daily alternative to injections
スイスのノバルティス社は、多発性硬化症(MS)の経口治療薬フィンゴリモド(FTY720、ジレニア錠)について欧州医薬品庁(EMA)で医薬品の科学的評価を担当する医薬品委員会(CHMP)がその承認に肯定的な見解を示したと発表しました。
これにより、3ヶ月以内にEMAの承認が得られる見込みで、欧州でのジレニア発売も間近になったようです。

世界中で承認が続くジレニア錠ですが、これで日本での承認が少しでも早まるといいですね。メーカーも来年早々の承認を期待しているようです。(中島)

Novartis gains positive CHMP opinion for Gilenya®, first oral multiple sclerosis treatment recommended for approval in the European Union(ノバルティス社のサイトより)


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by multiplesclerosis | 2011-01-22 18:55 | ニュース

Tysabri使用前のJCウイルス抗体測定

現在日本でも治験中のナタリズマブですが、これまで欧米を中心に1000人に1人の割合でJCウイルスによる進行性多巣性白質脳症(PML)の合併が生じることが報告されています。投与開始後2年以降でPML発症頻度が増加するほか、ミトキサントロンなどの免疫抑制剤の使用経験のある症例での発症頻度が高いことが知られていますが、更なる発症リスクの存在の解析が進められています。

Biogen Idecは、PMLの原因であるJCウイルスに対する血中抗体価を高感度に測定する手法を考案し、ナタリズマブ使用前のJCウイルス感染を調べることでPML発症リスクを減らす試みをしています。このたび、Biogen Idecが米国FDAに対して、Tysabri使用前のJCウイルス抗体測定がPML発症リスクの参考になるという文章を添付文書に追加することを申請しています。

日本で治験中の患者さんにおいても、近いうちにこのJCウイルス抗体検査を受けれるようになると思いますが、これによってPML発症リスクがどの程度判断できるのか、早急に結論されることを望みます。(中島)

Biogen Idec and Elan Submit Applications to Update TYSABRI Labeling That May Help Stratify Risk of PML with Anti-JC Virus Antibody Status (Biogen Idecのサイトより)


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by multiplesclerosis | 2010-12-23 12:53 | ニュース

酢酸グラチラマー使用中の妊娠・出産

酢酸グラチラマーglatiramer acetate(Copaxone®)は10年以上前から欧米で使われている多発性硬化症治療薬です。
(日本で現在治験中です)

この薬を使用している再発寛解型多発性硬化症の患者さんでの、妊娠・出産時の安全性と新生児の状態を解析したイギリスからの報告がJournal of Neurology誌に発表されました。

13人の患者さんが妊娠時に酢酸グラチラマーを使用しており、うち9人は出産するまで酢酸グラチラマーを継続しました。
のべ14妊娠があり、13児(1組は双生児)が無事出生、流産は2例のみで一般人口における流産率(15~20%)との差はありませんでした。
妊娠期間中の再発は1例1回のみ、出産後半年では2例でのべ3回の再発がありました。

新生児の平均体重は3318gで、明らかな奇形は認められませんでした。
低出生体重児は2例3児で認められ、1例目は双子、2例目は妊娠28週で再発を認めた例でした。
(疾患活動性が高いと低体重児が多くなることは他の論文で発表されています)

より多くの患者さんでの結果が必要ですが、妊娠前に再発予防薬を中止することのリスクを考えると、活動性の高い患者さんでは酢酸グラチラマーを妊娠出産期間中でも比較的安全に使用できそうです。(西山)

Glatiramer acetate exposure in pregnancy: preliminary safety and birth outcomes.
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by multiplesclerosis | 2010-12-21 18:02 | 文献

「FTY720」日本国内における製造販売承認申請

田辺三菱製薬が、ノバルティス ファーマと共同開発を行ってきた多発性硬化症治療薬「FTY720(一般名:フィンゴリモド塩酸塩)」の日本国内の製造販売承認申請を行ったと発表しました。

多発性硬化症治療薬「FTY720」
日本国内における製造販売承認申請について(2010年12月20日発表)


FTY720は、S1P受容体調整薬と呼ばれる経口薬です。S1Pは生体内で様々な働きを持つ物質ですが、リンパ球の二次リンパ組織からの移出に際して中心的な働きを持ちます。FTY720によってS1Pの働きが抑えられ、リンパ球の二次リンパ組織からの移出が阻害されることで、MS病変における炎症が抑えられます。

今後、厚生労働省による総合機構での審査、厚生労働大臣の諮問機関である薬事・食品衛生審議会にによる審査を経て、厚生労働大臣から製造販売承認が得られるまで少なくとも1~2年はかかりますが、2012年頃の発売が現実味を帯びてきました。(中島)


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by multiplesclerosis | 2010-12-21 07:17 | ニュース

標準的神経治療

今日は、仙台市内のホテルの会議室で、日本神経治療学会の治療指針作成委員会による編集会議が行われました。作成するのは標準的神経治療:視神経脊髄炎で、治療ガイドラインとは異なり、エキスパートが普段適用している治療内容とその根拠や効果、副作用などをまとめたものです。

今回の標準的神経治療:視神経脊髄炎には、藤原教授、中島の他、宇多野病院の田中先生、東京女子医科大学の清水先生、近畿大学の宮本先生、福岡リハビリテーション病院の越智先生に執筆していただいており、かなり読み応えのある内容になります。

当講座のホームページでもNMOの治療方針は掲げていますが、より全国のエキスパートの意見を反映させた、とても参考になるものができあがる予定です。発行は来年の夏以降になる予定ですが、出版後、当講座のサイトでもご紹介したいと思います。(中島)


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by multiplesclerosis | 2010-12-11 23:37 | 研究会報告

第31回 日本アフェレシス学会

舞浜駅近くのディズニーアンバサダーホテルで第31回日本アフェレシス学会が開催されています。アフェレシスというのは、血液を各成分に分離するという意味が含まれ、医学用語では、病原性因子を血液から除去する治療法のことを指します。日本語で血液浄化療法とも呼ばれます。

血漿交換療法もアフェレシスの1つで、多発性硬化症に対して保険適用があります。

今日は午前中の「中枢性脱髄・炎症性疾患とアフェレシス」というシンポジウムで高橋利幸先生が「視神経脊髄炎とアフェレシス」という演題で講演し、午後の「免疫性神経疾患に対するアフェレシス療法-現状と展望-」というワークショップで中島が「視神経脊髄炎の急性期」という演題で講演しました。

現状、中枢神経の脱髄疾患において、典型的な多発性硬化症にアフェレシスが適用されることは滅多になく、アフェレシスが適用になるのはもっぱらNMOです。したがって、NMOの再発治療において、その適用や導入のタイミングが主な議論内容になりました。

概ね、ステロイドパルス治療を1クール行って、効果が乏しい場合に早めにアフェレシスを導入するという方針で異論は出ませんでしたが、再発時にアフェレシスとステロイドパルスを同時に行うことの効果について興味のある先生が多かったようです。

また、定期的にアフェレシスを行うことで、再発予防効果が得られるかどうかも今後の検討課題と思われました。


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by multiplesclerosis | 2010-11-05 21:50 | 学会報告

FDAがジレニア(FTY720)を承認

9月22日、スイスのノバルティス社は、米国食品医薬品局(FDA)が再発型の多発性硬化症の第一選択薬となる経口剤として初めてジレニア錠を承認したと発表しました。

ジレニア錠は、日本の旧吉富製薬が創製した薬で、日本では田辺三菱製薬が、海外ではノバルティス社が中心になって開発を進めています。

日本においても臨床試験が進行中で、近いうちに承認申請が出される予定です。

現在までに全世界で2600名以上の患者さんに治験として投薬され、最長7年目となるMS患者さんがいます。不整脈や呼吸機能障害、肝機能障害などの副作用のほか、重篤な感染症の報告もありますが、注意深く使用することで安全に使用することが可能と考えられています。

Novartis gains FDA approval for Gilenya(TM), a novel first-line multiple sclerosis treatment shown to significantly reduce relapses and delay disability progression


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by multiplesclerosis | 2010-09-23 21:55 | ニュース

ロシアでジレニア(FTY720)承認

スイスのノバルティス社は、9月10日、多発性硬化症に対する経口薬のジレニア(一般名フィンゴリモド、開発名FTY720)がロシアの健康局によって承認されたと発表しました。

ノバルティスは、2011年初頭にもロシアで販売開始になる可能性があるとしています。

ジレニアの承認は世界で初めてですが、今月下旬にはアメリカFDAでの審査結果が発表される予定です。日本でも近いうちに承認申請される見込みです。

Novartis announces Russian regulatory approval for Gilenya®, a once-daily oral multiple sclerosis therapy and first in a new class(ノバルティス社のサイトより)


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by multiplesclerosis | 2010-09-13 07:08 | ニュース

髄鞘再生

今日は、大阪でMSにおける髄鞘再生治療に関する小さな講演会を開催しました。

特別講演にBiogen IdecのDr. Sha Miと慶應義塾大学の中原仁先生をお招きして、髄鞘再生によるMS治療の展望を議論しました。

Dr. Sha Miが見出したオリゴデンドロサイト前駆細胞に発現するLINGO-1という分子はオリゴデンドロサイトの分化と髄鞘形成を阻害している分子であり、この分子に結合する抗体を用いてその機能を阻害することで、MSの脱髄病変における再髄鞘化が促せる可能性があるということです。

中原先生も、オリゴデンドロサイト前駆細胞に発現するFcRγという分子をモノクローナルな結合抗体を用いて刺激することによって再髄鞘化を促進させる仕組みを解明されています。また、オリゴデンドロサイト前駆細胞でTIP30という分子が増えていることでMSの再髄鞘化が阻害されている可能性も指摘されています。

これまでMSの脱髄病変では再髄鞘化されくいことはよく知られていたものの、その原因は不明でした。前駆細胞や幹細胞が脱髄病変周辺に沢山あるのになぜ再髄鞘化されないのかがわかっていなかったのです。MSの脱髄病変で再髄鞘化が成功すれば、MSの症状がよりよく回復することになります。

今日のお二人のご講演を聴いていて、近い将来再髄鞘化を促す治療法が必ず開発されるであろうことを確信しました。とても勉強になるいい講演会でした。


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by multiplesclerosis | 2010-09-05 22:55 | 講演会報告
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