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日本神経学会市民公開講座

多発性硬化症とは直接関係ありませんが、5月23日(土)に仙台国際センター・メインホールで市民公開講座が開催されます。テーマは「身近な脳と神経の病気を良く知ろう」となっています。
どなたでも聴講可能ですので、興味のある方はぜひお申し込みください。

http://www2.convention.jp/neuro50/lecture.html

プログラム

司会 糸山 泰人 東北大学大学院医学系研究科神経内科学分野 教授

「脳卒中を予防し、治そう」
演者 冨永 悌二 東北大学大学院医学系研究科神経外科学分野 教授

「神経内科とは?―その病気いろいろ―」
演者 田代 邦雄 北海道大学名誉教授/北祐会神経内科病院 顧問

「パーキンソン病になったら」
演者 水野 美邦  順天堂大学名誉教授/順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院 院長

1,000名様無料ご招待
申込締切:2009年5月8日(金)


# by multiplesclerosis | 2009-04-18 00:00 | 講演会情報

マクドナルド診断基準の改訂が始まる

MSの診断基準として国際的に治験や臨床研究に広く用いられているマクドナルドの診断基準(McDonald Criteria)が今年から来年にかけて2度目の改訂が行われることになり、藤原がこの基準の国際委員会(International Panel)のメンバーとして改訂作業に参加することになりました。

今回の改訂のポイントは以下の2つです。1つ目の課題は、これまでの診断基準の中で注目されていなかった特異な患者群(Special populations)をどう扱うかです。これはおそらく最近MSとの相違が明確になってきた視神経脊髄炎(NMO)や成人のMSと異なる特徴を持つ小児のMSなどが取り上げられることになるでしょう。2つ目の課題は、MSの各臨床病型の定義と予後に関するMRI所見や他の基準を検討することです。

これから改訂の準備作業が徐々に始まり、来年春に国際委員会の会合で問題点を議論して最終的な文章をまとめあげることになります。

他の国際委員会のメンバーはすべてヨーロッパとアメリカ、カナダの専門家です。したがってNMOは間違いなく取り上げられると思いますが、それ以外にMSとしての本質は変わらないにしても欧米のMSと異なる日本人やアジアのMS症例の特徴などを若干でも盛り込むことになるかどうかは現時点ではわかりません。(例えばマクドナルドの診断基準の中のMRIの基準はヨーロッパのMS症例をもとに作られており、これが日本人のMSでも同様に有用かどうかは明らかではありません。)

しかしとにかく日本やアジアの声を反映させることは大事だと考えています。ご意見、ご提案があればどうぞご連絡ください。


# by multiplesclerosis | 2009-04-07 20:14 | ニュース

アレムツズマブの世界での販売権と開発権

ドイツ・バイエル ヘルスケア社は、3月31日にジェンザイム コーポレーション社(マサチューセッツ州ケンブリッジ)との新たな戦略的提携に合意したとプレスリリースを行いました。

この契約により、バイエルは、アレムツズマブの開発権及び販売権を含む血液がん関連製品の権利をジェンザイムへ供与/返還するとしています。

ただし、既に実施されているアレムツズマブの多発性硬化症を適応症とした共同開発は継続し、同剤の開発が成功し、アレムツズマブの多発性硬化症への適応が承認された場合、バイエルは、この適応症におけるアレムツズマブの世界での共同プロモーション権を行使するとしています。

Campathアレムツズマブは、米国でB細胞性慢性リンパ性白血病(B-CLL)の単剤療法として承認されている薬剤で、細胞表面に存在するCD52抗原に選択的に結合するヒト化モノクローナル抗体です。アレムツズマブが結合した細胞が人体の免疫システムにより破壊されると考えられています。MSの再発予防に対する効果が期待されており、欧米において臨床試験が継続中です。

今回の契約がMSへの適応拡大に向けた現在の開発に影響することはないようですが、今後は日本における臨床試験の導入に向けて両社には頑張っていただきたいと願うばかりです。

独バイエル ヘルスケア社、米ジェンザイム社と新たな戦略的提携へ


# by multiplesclerosis | 2009-04-02 07:35 | ニュース

多発性硬化症における癌発症リスク

スウェーデンのカロリンスカ大学のグループが約2万人のMS患者と約20万人のMS以外の一般市民を比較して癌発症のリスクを解析し、本日発行のNeurologyで報告しています。

平均35年間の観察期間において、MS患者は一般市民と比較して、約10%の癌発症リスク低下が認められました。MS患者はMSと診断後に生活習慣を改善することで癌発症リスクが軽減する可能性があり、また、治療によって癌発症にかかわるメカニズムが抑制されている可能性もあると考察されています。

いずれにせよ、MSであることや、MSの一般的な治療によって癌の発症リスクが高まることはないと言えそうです。

また、この調査ではMS患者の両親についても解析されており、親における癌発症リスクは一般市民と差がなく、MS患者の癌発症リスクの低下は遺伝的な要因はないとしています。

一方で、脳腫瘍や膀胱癌の発症リスクはMS患者において一般市民より高かったようですが、MSにおいて脳や膀胱は頻繁に検査を受ける部位であり、早期発見の確率が高いためと推察しています。

Bahmanyar S, et al. Cancer risk among patients with multiple sclerosis and their parents. Neurology 2009; 72: 1170-1177


# by multiplesclerosis | 2009-03-31 12:28 | 文献

ベタフェロンの導入キット

ドイツのバイエル社は、ベタフェロン導入に際して、副作用の出現を抑える目的で低用量からの投与をしやすくした導入キットを作成し、近くドイツで販売すると発表しました。

詳細なキットの内容はわかりませんが、投与開始から最初の4週間で漸増するスケジュールに合わせたキットのようで、医師、看護師、患者のいずれにとっても使いやすいキットになっていると記載されています。

副作用の出現を抑えるために当院でも初期の投与量は半量以下にしますが、1mlの溶解液をバイアル内に入れると、その分の陽圧がかかるために、調整の際に液がバイアルから噴き出したり、シリンジに空気が入り込んだりするなど、0.5ml以下での調整がしづらいのですが、このあたりが改良されていることはどうもなさそうです。*
ちなみに、1mlで溶解後に一度バイアルとシリンジを外して圧を抜いてから再装着し、溶解液をシリンジに戻すとうまく調整できます。

日本での導入は今のところ予定がないようですが、このキットのスケジュールは実際の導入にはおすすめのものですので是非参考にしていただきたいです。*

Bayer Offers New Betaferon® Titration Pack
http://www.viva.vita.bayerhealthcare.com/index.php?id=36&no_cache=1&tx_ttnews[tt_news]=13037

ベタフェロンの導入キット_f0183250_10221338.jpg


*バイエル薬品に確認後、文章を訂正しています。
# by multiplesclerosis | 2009-03-30 11:44 | ニュース
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