HOME > 多発性硬化症治療学寄附講座ブログ

<   2010年 12月 ( 8 )   > この月の画像一覧

Tysabri使用前のJCウイルス抗体測定

現在日本でも治験中のナタリズマブですが、これまで欧米を中心に1000人に1人の割合でJCウイルスによる進行性多巣性白質脳症(PML)の合併が生じることが報告されています。投与開始後2年以降でPML発症頻度が増加するほか、ミトキサントロンなどの免疫抑制剤の使用経験のある症例での発症頻度が高いことが知られていますが、更なる発症リスクの存在の解析が進められています。

Biogen Idecは、PMLの原因であるJCウイルスに対する血中抗体価を高感度に測定する手法を考案し、ナタリズマブ使用前のJCウイルス感染を調べることでPML発症リスクを減らす試みをしています。このたび、Biogen Idecが米国FDAに対して、Tysabri使用前のJCウイルス抗体測定がPML発症リスクの参考になるという文章を添付文書に追加することを申請しています。

日本で治験中の患者さんにおいても、近いうちにこのJCウイルス抗体検査を受けれるようになると思いますが、これによってPML発症リスクがどの程度判断できるのか、早急に結論されることを望みます。(中島)

Biogen Idec and Elan Submit Applications to Update TYSABRI Labeling That May Help Stratify Risk of PML with Anti-JC Virus Antibody Status (Biogen Idecのサイトより)


[PR]
by multiplesclerosis | 2010-12-23 12:53 | ニュース

NMOはどこまでわかったか(講演映像配信)

12月12日に開催されたMSキャビン主催による第7回多発性硬化症フォーラムにおけるNMOのセッション「NMOはどこまでわかったか」の講演内容を収めたビデオ映像を公開いたします。視聴環境によっては、映像が出るまでに時間がかかります。「NMOの治療方針最新版」の映像は、下方部分が欠けています。ご了承ください。

イントロダクション
東北大学多発性硬化症治療学寄附講座 藤原一男


ここまでわかったNMOの病態(前半)
東北大学多発性硬化症治療学寄附講座 三須建郎


ここまでわかったNMOの病態(後半)
東北大学多発性硬化症治療学寄附講座 三須建郎



NMOに特徴的なMRI画像あれこれ(前半)
東北厚生年金病院神経内科 中村正史


NMOに特徴的なMRI画像あれこれ(後半)
東北厚生年金病院神経内科 中村正史



NMOの治療方針最新版(前半)
東北大学多発性硬化症治療学寄附講座 中島一郎


NMOの治療方針最新版(後半)
東北大学多発性硬化症治療学寄附講座 中島一郎



[PR]
by multiplesclerosis | 2010-12-22 11:14 | 講演会報告

酢酸グラチラマー使用中の妊娠・出産

酢酸グラチラマーglatiramer acetate(Copaxone®)は10年以上前から欧米で使われている多発性硬化症治療薬です。
(日本で現在治験中です)

この薬を使用している再発寛解型多発性硬化症の患者さんでの、妊娠・出産時の安全性と新生児の状態を解析したイギリスからの報告がJournal of Neurology誌に発表されました。

13人の患者さんが妊娠時に酢酸グラチラマーを使用しており、うち9人は出産するまで酢酸グラチラマーを継続しました。
のべ14妊娠があり、13児(1組は双生児)が無事出生、流産は2例のみで一般人口における流産率(15~20%)との差はありませんでした。
妊娠期間中の再発は1例1回のみ、出産後半年では2例でのべ3回の再発がありました。

新生児の平均体重は3318gで、明らかな奇形は認められませんでした。
低出生体重児は2例3児で認められ、1例目は双子、2例目は妊娠28週で再発を認めた例でした。
(疾患活動性が高いと低体重児が多くなることは他の論文で発表されています)

より多くの患者さんでの結果が必要ですが、妊娠前に再発予防薬を中止することのリスクを考えると、活動性の高い患者さんでは酢酸グラチラマーを妊娠出産期間中でも比較的安全に使用できそうです。(西山)

Glatiramer acetate exposure in pregnancy: preliminary safety and birth outcomes.
[PR]
by multiplesclerosis | 2010-12-21 18:02 | 文献

「FTY720」日本国内における製造販売承認申請

田辺三菱製薬が、ノバルティス ファーマと共同開発を行ってきた多発性硬化症治療薬「FTY720(一般名:フィンゴリモド塩酸塩)」の日本国内の製造販売承認申請を行ったと発表しました。

多発性硬化症治療薬「FTY720」
日本国内における製造販売承認申請について(2010年12月20日発表)


FTY720は、S1P受容体調整薬と呼ばれる経口薬です。S1Pは生体内で様々な働きを持つ物質ですが、リンパ球の二次リンパ組織からの移出に際して中心的な働きを持ちます。FTY720によってS1Pの働きが抑えられ、リンパ球の二次リンパ組織からの移出が阻害されることで、MS病変における炎症が抑えられます。

今後、厚生労働省による総合機構での審査、厚生労働大臣の諮問機関である薬事・食品衛生審議会にによる審査を経て、厚生労働大臣から製造販売承認が得られるまで少なくとも1~2年はかかりますが、2012年頃の発売が現実味を帯びてきました。(中島)


[PR]
by multiplesclerosis | 2010-12-21 07:17 | ニュース

BRAIN MEDICAL

smoking.jpgメディカルレビュー社が年4回発行している「BRAIN MEDICAL」という雑誌の今月(12月)号で、藤原教授の企画による特集「MS(多発性硬化症)とNMO(視神経脊髄炎)」があり、10編の総説を読むことができます。

ご興味のあるかたは是非ご一読ください。
内容はメディカルレビュー社のサイトで参照することができ、サイトからオーダーもできます。
(中島)


[PR]
by multiplesclerosis | 2010-12-16 17:55 | ニュース

第7回 多発性硬化症フォーラム

f0183250_2110355.jpg六本木アカデミーヒルズで国立精神神経医療研究センター免疫研究部とMSキャビンが共催の多発性硬化症フォーラムが開催され、当講座もNMOのセッションを企画し参加しました。

NMOの病態、NMOの画像、NMOの治療の3つのテーマに分けて講演し、それぞれ20分ずつわかりやすく解説しました。NMOの治療はともかく、NMOの病態や画像所見については普段の講演会であまり触れることがないので、かなり新鮮だったのではないかと思います。アストロサイトの膜上のアクアポリン4が抗体の作用によって崩れていく動画は一見の価値はあったかと思います。

最後のパネルディスカッションではパネラーの考え方がよく伝わって面白かったです。宮本先生が非典型的なMSの中から、第2、第3のNMOが見つかるでしょうと予言されていたのが印象的でした。

今日はものすごく天気が良くて、会場の窓から見える富士山がとてもきれいでした。(中島)


[PR]
by multiplesclerosis | 2010-12-12 23:46 | 講演会報告

標準的神経治療

今日は、仙台市内のホテルの会議室で、日本神経治療学会の治療指針作成委員会による編集会議が行われました。作成するのは標準的神経治療:視神経脊髄炎で、治療ガイドラインとは異なり、エキスパートが普段適用している治療内容とその根拠や効果、副作用などをまとめたものです。

今回の標準的神経治療:視神経脊髄炎には、藤原教授、中島の他、宇多野病院の田中先生、東京女子医科大学の清水先生、近畿大学の宮本先生、福岡リハビリテーション病院の越智先生に執筆していただいており、かなり読み応えのある内容になります。

当講座のホームページでもNMOの治療方針は掲げていますが、より全国のエキスパートの意見を反映させた、とても参考になるものができあがる予定です。発行は来年の夏以降になる予定ですが、出版後、当講座のサイトでもご紹介したいと思います。(中島)


[PR]
by multiplesclerosis | 2010-12-11 23:37 | 研究会報告

東北地区MSナーシングセミナー

f0183250_17214424.jpg仙台市内のホテルでMSナーシングセミナーをバイエル薬品の主催で開催しました。青森、岩手、宮城の主な施設から20名の看護師さんが集まり、主にインターフェロンβ治療のアドヒアランスを高めるための看護師の役割について議論されました。大阪から来てくれた看護師さんもいて、大いに盛り上がったように思います。

MS患者さんが安心して治療を受けていくためには、専門的な知識を持った看護師さんの存在は非常に大きいと思います。

大きな病院では看護師さんの部署間の移動が頻繁に行われがちで、なかなか専門ナースの育成が難しいという問題がありますが、できる限り業務をシステム化することで、新人の看護師さんでもスムーズになじめるような、効率のいい教育環境を作っていくことが求められます。

東北大学病院の外来看護師の最近の取り組みによって、注射部位反応が半年で軽減したという報告は多くの参加者にとって大いに参考になったと思います。(中島)


[PR]
by multiplesclerosis | 2010-12-04 17:29 | 講演会報告
このページの先頭へ

,

ブログトップ

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

カテゴリ

以前の記事

検索

タグ

その他のジャンル

ツイッター

アクセスカウンタ

記事ランキング

Copyright �2008. Department of Multiple Sclerosis Therapeutics,Tohoku University Graduate School of Medicine. All Rights Reserved.