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郡山講演会

f0183250_21273963.jpg今日の郡山講演会では、福島医大の宇川教授の司会でMSとNMOの話をしました。参加者は20名程度でしたが、皆さんとても熱心に聴講してくれていました。

福島県からであれば、仙台への通院も可能な方がいらっしゃるかもしれないと思い、今日は東北大学病院で治験中の薬剤のお話を少し長めにしました。

会の後半は、質問用紙を用いた質疑応答でしたが、“非特異的な”MSと診断を受けておられる参加者が何人かいらっしゃったようです。“非典型的な”MSという診断をするためには、典型的なMSやNMOを良く知っている必要があります。きっと患者さんをきちんと診ておられる主治医なのだろうと思います。

“非典型的な”MSの患者さんのご質問には答えをしにくいので申し訳なく思います。特に治療法に関しては個別によく検討する必要があるので、「主治医とよく相談して・・」という答えに終始せざるを得ず、宇川教授にも助けて頂きました。

NMOがそうであったように、非典型的なMSの中から特異的な病態を持つものを別の病気として明確に区別していくことが重要で、今後の研究の発展が望まれます。(中島)


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by multiplesclerosis | 2010-11-28 22:38 | 講演会報告

宇都宮講演会

今日は宇都宮で講演会です。司会を獨協医大の平田教授にお願いし、「MS・NMOのあらまし」というタイトルで講演させていただきました。平田教授にも「知っておきたい睡眠の話」というタイトルで睡眠に関するご講演をしていただきました。睡眠と交感神経の活動の関係など、とても勉強になるいいお話でした。

NMOでは、両側の視床下部という場所に炎症が広がることがありますが、これによって「過眠症」という症状が生じることがあります。視床下部に存在する神経細胞からのオレキシン分泌が低下することで発症すると考えられていますが、「ナルコレプシー」という病気と病態が類似しています。

f0183250_2203422.jpg日中の耐え難い眠気が特徴で、あり得ない状況で眠ってしまいます。意識障害と見誤られることが多いですが、起きているときは意識がはっきりしているのが特徴です。NMOでこの過眠症が生じた場合には通常、パルス療法で回復します。したがって、NMOの患者さんで日中の眠気があまりにも酷い場合には、脳のMRI撮像が勧められます。

ただし、NMOの患者さんのほとんどがプレドニンなどのステロイドを服用されており、このプレドニンなどのステロイドによっても睡眠障害が生じます。ステロイドを服用中の患者さんの多くが、夜間中途覚醒し、不眠を生じています。これによって日中の眠気が生じることがあります。

また、痛みやしびれに対して用いるテグレトールやリボトリールなどの抗痙攣剤、トレドミンなどの抗うつ剤、痙性に対するテルネリンやリオレサールなども日中の眠気の原因になります。このような薬を日中に服用されている患者さんはくれぐれも車の運転など危険な状況を避けるようにして下さい。


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by multiplesclerosis | 2010-11-13 22:03 | 講演会報告

第3回ガシー・ジャクソン財団テーブルラウンドミーティング

11月8日~10日の日程で、Guthy-Jackson慈善財団の第3回ミーティングがビバリーヒルズのヒルトンホテルで開催されました。お子さんがNMOを発症されたご夫婦による慈善団体で、米国の主要な研究機関に研究助成を行っており、毎年その報告と、患者の交流を目的としたミーティングを開催しています。昨年に引き続き招待をいただいたので、参加して30分の講演をしてきました。

年々規模が少しずつ大きくなっていますが、今年は日本とイギリスだけでなく、フランス、アルゼンチン、イタリアなどからも参加がありました。

研究報告は、昨年に引き続き、サンフランシスコのVerkman教授のラボの仕事が注目されていました。脊髄スライスモデルを開発し、培養ディッシュ上に薄くスライスした脊髄をそのまま培養して患者血清に対する病理学的な変化を観察しています。BBBが初めから崩壊しているという問題点はありますが、今回は、好中球が抗体による補体依存性の組織障害を増幅させるという興味深いデータを出していました。また、アクアポリン4に結合し、NMO-IgGの作用を阻害するモノクローナル抗体の作成にも取り組んでいるほか、既存の化合物の中でも、ベンゾアミドチアゾールなどがアクアポリン4の抗原抗体反応を妨げる可能性があるとして臨床応用を検討すると発表していました。

メーヨークリニックのLucchinetti教授は、NMOの病変形成の初期に好酸球の浸潤のあることを重要視していました。好酸球の活性化が遊走に関わるエオタキシンと呼ばれる物質に注目し、このエオタキシンに対するモノクローナル抗体治療の臨床試験を検討しているとのことでした。その他のグループからも、IL-7受容体阻害、セリンプロテアーゼ阻害、エラスターゼ阻害など、いろんな治療ターゲットの可能性を示唆する報告があり今後の治療法の開発が非常に楽しみです。

f0183250_16343911.jpgオックスフォード大とメーヨークリニックの共同研究で、いくつかの抗アクアポリン4抗体の測定法の比較が行われ、当院でも用いている培養細胞アッセイ法とそれを応用したFACS法がともに感度約80%と最も高く、従来の組織染色法では60%の陽性率しかなく、両者にかなりの差があることが明らかになりました。近く論文として投稿される予定ですが、米国などで抗体陰性NMOとして扱われてきた症例の半数は陽性である可能性が出てきたことで、ようやく抗体測定の重要性がより認識されることになりそうです。

2日目の午後には、参加者を6つくらいのグループに分けていくつかのテーマについてワークショップ形式で議論しました。抗体陰性NMOの存在について再認識する必要があること、動物モデルでは好中球や好酸球の影響が明らかにできないこと、急性期治療に関する臨床試験の必要性があることなどが議論されました。

2日目の夜は、共同研究を進めるオックスフォードのメンバーと夕食に出かけました。Vincent教授を含め、とても気さくで話が合うので今後の発展が楽しみです。


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by multiplesclerosis | 2010-11-10 16:35 | 学会報告

第2回 仙台MSセミナー医療講演会

f0183250_19452379.jpg仙台の国際センターで第2回仙台MSセミナー医療講演会を開催いたしました。近くの青葉山は紅葉が秋晴れのいい天気でよく映えていました。風邪が流行し始めていて、キャンセルも多めでしたが、120名以上の参加をいただいて、大いに盛り上がりました。

東京女子医大の大橋先生のMSに関してのご講演は最新情報をたくさん盛り込まれており、聞き応えがありました。MSの初心者にとっても、情報通にとってもためになるお話だったと思います。将来は血液検査だけでMSを診断でき、進行を完全に止めるような薬が開発されることを十分予感させてくれるお話でした。


f0183250_19455828.jpg今回は、医療講演に加えて、教育講演としてMSキャビンの中田さんに、20分間たっぷり喋っていただきました。患者さんの言葉として共感しやすい部分があったろうと思います。

仙台MSセミナー医療講演会の目玉は、後半の情報交換会です。東北大学病院の医師のみならず、関連の広南病院、東北厚生年金病院、仙台医療センターからもMSの専門医があつまり、13人のドクター、4人の看護師が9つに分けたグループに散らばり、交流に加わりました。

ご協力いただいた方々に感謝いたします。


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by multiplesclerosis | 2010-11-06 19:46 | 講演会報告

第31回 日本アフェレシス学会

舞浜駅近くのディズニーアンバサダーホテルで第31回日本アフェレシス学会が開催されています。アフェレシスというのは、血液を各成分に分離するという意味が含まれ、医学用語では、病原性因子を血液から除去する治療法のことを指します。日本語で血液浄化療法とも呼ばれます。

血漿交換療法もアフェレシスの1つで、多発性硬化症に対して保険適用があります。

今日は午前中の「中枢性脱髄・炎症性疾患とアフェレシス」というシンポジウムで高橋利幸先生が「視神経脊髄炎とアフェレシス」という演題で講演し、午後の「免疫性神経疾患に対するアフェレシス療法-現状と展望-」というワークショップで中島が「視神経脊髄炎の急性期」という演題で講演しました。

現状、中枢神経の脱髄疾患において、典型的な多発性硬化症にアフェレシスが適用されることは滅多になく、アフェレシスが適用になるのはもっぱらNMOです。したがって、NMOの再発治療において、その適用や導入のタイミングが主な議論内容になりました。

概ね、ステロイドパルス治療を1クール行って、効果が乏しい場合に早めにアフェレシスを導入するという方針で異論は出ませんでしたが、再発時にアフェレシスとステロイドパルスを同時に行うことの効果について興味のある先生が多かったようです。

また、定期的にアフェレシスを行うことで、再発予防効果が得られるかどうかも今後の検討課題と思われました。


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by multiplesclerosis | 2010-11-05 21:50 | 学会報告

熊本講演会

f0183250_22533151.jpg10月31日は熊本市で講演会でした。台風の影響が心配されましたが、無事に遅れることなく飛行機も飛んで時間どおりに到着することが出来ました。
熊本は高校の修学旅行以来、24年ぶりだったのですが、あいにく日帰りでどこに寄る暇もなくて残念でした。

熊本大学の内野教授に司会をしていただいて、MSに関するお話しは同じく熊本大学の平野先生にしていただきました。90枚ものスライドを使った、非常に熱のこもったご講演でした。とても分かりやすかったです。

参加人数は60名弱だったようですが、皆さんとても熱心に聴講されていたのがとても印象的でした。普段出来るだけ聴衆の顔を見ながら話すように心がけているのですが、今回は皆さんの真剣な目に圧倒されて思わず話す内容を忘れそうになることが何回かありました。

講演の後にも多くの参加者の方が質問のために寄ってきていただきましたが、バスの時間の都合で早めに切り上げなければならなかったのが残念でした。


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by multiplesclerosis | 2010-11-01 22:54 | 講演会報告
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