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HLA-DR15と誕生月

英国オクスフォード大のジョージ・エバース教授らのチームからMSの感受性因子に関する面白い論文が発表されました。

カナダ、スウェーデン、ノルウェーにおける4834人のMS患者、4056人の健常人、659人の健康なMS患者の兄弟のヒト白血球抗原(HLA)の遺伝子多型と出生月を解析しています。

HLAの多型のうち、HLA-DR15という遺伝子タイプはMSを発症しやすいタイプとしてよく知られていますが、HLA-DR15を持つMS患者は、HLA-DR15を持たないMS患者と比較して、11月生まれが有意に少なく(p=0.02)、4月生まれが有意に多い(p=0.004)ことが判明したそうです。

具体的には、HLA-DR15を持つMS患者の10.3%が4月生まれでもっとも多く、11月生まれは逆に6.0%と少なかったそうですが、HLA-DR15を持たないMS患者にはこのような傾向がみられなかったために差が出ています。
つまり、HLA-DR15を持つ人が4月に生まれるとMSを発症するリスクがやや高まり、11月に生まれるとそのリスクが低くなるということです。

冬の妊娠が影響するのか、春の出産が影響するのかは不明ですが、日照時間の短い冬の妊娠で、母体のビタミンD不足が関与している可能性が指摘されています。真偽のほどは定かではありませんが、少なからず出産時期が免疫システムに影響するということでしょう。日本人で同様の傾向があるかどうか興味があるところです。

Ramagopalan SV, et al. HLA-DRB1 and month of birth in multiple sclerosis. Neurology. 2009 Dec 15;73(24):2107-11.


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by multiplesclerosis | 2009-12-19 23:02 | 文献

第6回 MSフォーラム

f0183250_7214586.jpg東京の六本木ヒルズで、MSキャビン国立精神・神経センター免疫研究部主催のMSフォーラムが開催されました。

全国から20人のドクターが3つの会場に分かれてそれぞれ20分~60分の講演を行いました。多くが誰にでもわかるような基本的なMSのお話でしたが、中にはかなり高度な研究の紹介もあり、来場したほぼすべての人が満足できるような内容だったように思います。世界的にもここまで盛り沢山の講演会は類を見ないでしょう。しかも参加費無料とは何ともお得です。

私はNMO臨床研究の進歩という講演を行いました。NMOがMSとは異なる病気で、症状も治療法も異なるという基本的な内容でした。聴講していただいた方のほとんどはNMOかそのご家族だったと思いますが、時間の都合で質問にお応えできなかったのが残念でした。

このMSフォーラムはすべてのMS患者さんにとって有意義な催しであると実感しました。まだ参加されたことがない人はもちろん、毎年参加されている人でもぜひ来年のMSフォーラムには参加されることをお勧めします。


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by multiplesclerosis | 2009-12-14 07:22 | 講演会報告
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