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カテゴリ:研究成果( 3 )

視神経脊髄炎(NMO)における多様なアストロサイトパチー病変

これまで脳疾患においてアストロサイトが一次性に傷害されると考える人は多くはありませんでしたが、近年NMOが自己免疫性アストロサイトパチーと考えられるようになり、その他にも脳虚血やてんかん、肝性脳症など、様々な疾患でアストロサイトの重要性が注目されています。Clasmatodendrosisは、古くはCajalが脳虚血や死後脳におけるグリア変化として報告、肥大化したアストロサイトが足突起の退縮や断裂を伴う現象です。以後、殆ど注目されませんでしたが、最近は虚血やてんかんなどで報告されています。

今回、詳細にNMO病変を観察し、従来から知られてきた補体介在性の病態の他に、かなり多様性があること、Clasmatodendrosis(突起崩壊)を伴う特異な現象が存在することを明らかにしました。この多様性は、個々の症例の同じ病変内においても存在し、アストロサイトの持つ特殊性、それを傷害するAQP4抗体や補体を介した多様な免疫病態を反映した現象と考えられます。中には、非常にアストロサイト選択的傷害を呈し、髄鞘や軸索の障害が殆ど無い補体非介在性病変も認められました。また、本来は細胞表面に存在するAQP4やAQP1が内在化し足突起の変性や細胞死を伴うものもみられ、抗体を介したアクアポリンの変性による機序が考えられました。

これらの多様性は、従来MSやNMOで言われてきたような疾患の異同を論じるものとは異なる次元のものと考えています。NMOのアストロサイトパチー病変では、少なくとも補体介在性の他にAQP4抗体に関連したAQP4の内在化、足突起の崩壊現象が関連している。今後、更なる検討が必要と思われます。
(文責:三須建郎)

Presence of six different lesion types suggests diverse mechanisms of tissue injury in neuromyelitis optica.

Acta Neuropathol. 2013 Apr 12. [Epub ahead of print] 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23579868
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by multiplesclerosis | 2013-04-15 00:05 | 研究成果

視神経脊髄炎の発症に高CK血症が先行した3症例


 視神経脊髄炎(NMO)の病態および診断において血清中の抗アクアポリン4抗体(AQP4抗体)が重要ですが、未だAQP4抗体出現やNMOでの病態機序は完全に解明されてはいません。AQP4は中枢神経のみならず骨格筋の筋細胞膜にも発現していることが知られています。今回、私たちは東北大神経内科の過去のAQP4抗体陽性NMO症例733例を後向き研究で検討した結果、NMOの発症に先行してCKが非常に高値をとる高CK血症を呈した3例を見出し、Neurology誌に報告しました。

 これらの症例の存在は骨格筋における高CK血症がNMOの発症機転に関与していることを示唆していると考えています。病態仮説として1. 何らかの要因により筋が破壊されAQP4が免疫系に暴露されることによりAQP4抗体の産生が促されNMOの発症に結びついた、2. すでに存在するAQP4抗体が骨格筋細胞膜および中枢神経系の両方を障害しそれぞれ高CK血症とNMOを惹起した、3. 骨格筋の崩壊がBBBの破壊を誘発し中枢神経内へのAQP4抗体流入の引き金となった、などを想定していますが、いずれも今後の症例の蓄積や実験的検証が必要です。
(東北大学神経内科 鈴木直輝)

Suzuki N, Takahashi T, Aoki M, Misu T, Konohana S, Okumura T, Takahashi H, Kameya S, Yamaki K, Kumagai T, Fujihara K, Itoyama Y. Neurology. 2010 May 11;74(19):1543-5.


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by multiplesclerosis | 2010-05-22 23:15 | 研究成果

UCSFとの共同研究がArchives of Neurologyに記載されました

カリフォルニア大学サンフランシスコ校のMSセンターのBruce CreeによるHLA遺伝子多型と臨床病型の関連を解析した論文において、抗アクアポリン4抗体測定を担当し、共著として中島、高橋が加わっています。

Bruce CA., et al. Modification of Multiple Sclerosis Phenotypes by African Ancestry at HLA. Arch Neurol. 2009;66(2):226-233.


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by multiplesclerosis | 2009-02-11 17:15 | 研究成果
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