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視神経脊髄炎(NMO)における多様なアストロサイトパチー病変

これまで脳疾患においてアストロサイトが一次性に傷害されると考える人は多くはありませんでしたが、近年NMOが自己免疫性アストロサイトパチーと考えられるようになり、その他にも脳虚血やてんかん、肝性脳症など、様々な疾患でアストロサイトの重要性が注目されています。Clasmatodendrosisは、古くはCajalが脳虚血や死後脳におけるグリア変化として報告、肥大化したアストロサイトが足突起の退縮や断裂を伴う現象です。以後、殆ど注目されませんでしたが、最近は虚血やてんかんなどで報告されています。

今回、詳細にNMO病変を観察し、従来から知られてきた補体介在性の病態の他に、かなり多様性があること、Clasmatodendrosis(突起崩壊)を伴う特異な現象が存在することを明らかにしました。この多様性は、個々の症例の同じ病変内においても存在し、アストロサイトの持つ特殊性、それを傷害するAQP4抗体や補体を介した多様な免疫病態を反映した現象と考えられます。中には、非常にアストロサイト選択的傷害を呈し、髄鞘や軸索の障害が殆ど無い補体非介在性病変も認められました。また、本来は細胞表面に存在するAQP4やAQP1が内在化し足突起の変性や細胞死を伴うものもみられ、抗体を介したアクアポリンの変性による機序が考えられました。

これらの多様性は、従来MSやNMOで言われてきたような疾患の異同を論じるものとは異なる次元のものと考えています。NMOのアストロサイトパチー病変では、少なくとも補体介在性の他にAQP4抗体に関連したAQP4の内在化、足突起の崩壊現象が関連している。今後、更なる検討が必要と思われます。
(文責:三須建郎)

Presence of six different lesion types suggests diverse mechanisms of tissue injury in neuromyelitis optica.

Acta Neuropathol. 2013 Apr 12. [Epub ahead of print] 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23579868
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by multiplesclerosis | 2013-04-15 00:05 | 研究成果
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