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仙台NMO勉強会

f0183250_1931320.jpg7月16日に仙台市のトラストシティで仙台NMO勉強会が開催されました。海外から6人、国内からは60人以上の参加者があり、とてもいい議論が出来たと思います。

海外からは、アメリカのテキサス州ダラスにあるテキサス大学サウスウェスタン医療センターのGreenberg先生、イギリスのオックスフォード大学から、Leite先生とWaters博士、イギリス・リバプールにあるウォルトンセンター病院からJacob先生、韓国ソウル市郊外のイルソン市にある韓国国立癌センターのHo Jin Kim先生とWoojun Kim先生が参加してくれました。

Greenberg先生は以前のブログでも紹介しましたが、ガシー・ジャクソン財団に協力して全米のNMO患者登録をまとめています。これから開発される新規の薬剤について、少人数で有効性と安全性を確認する効率のいい臨床試験のあり方についての提言がありました。

Leite先生はポルトガルの出身の神経内科医で、主に自己抗体が関与した神経疾患が専門です。重症筋無力症や自己免疫性脳炎、視神経脊髄炎などの病因に関わる自己抗体の解析をされている一方で、NMO患者さんの臨床情報をまとめておられます。当院との共同研究で、経過や臨床病型における年齢や他の自己免疫疾患の合併などの影響の解析をご報告いただきました。

Waters博士はVincent教授の下で長年自己抗体の解析をされておられます。抗AQP4抗体についても様々な測定方法を使用して解析しており、今回はMayoクリニックと共同で、同一サンプルを用いた2施設での測定感度比較研究を報告していただきました。世界的に標準となっているMayoクリニックの免疫組織染色法の感度が48%程度だったのに対し、当院でも採用している形質導入細胞を用いた間接蛍光抗体法やフローサイトメトリーを用いたFACS法の感度は約75%と非常に感度が高いことが明らかになりました。ELISA法の感度も70%以下と不十分であり、診断目的にELISA法は用いるべきでないと強調されていました。

Jacob先生はインド出身の神経内科医で、以前にMayoクリニックでフェローをされた時にNMOに対するリツキサンの効果や、ミコフェノール酸モフェチルの効果を報告されています。第一選択にプレドニンとアザチオプリン(イムラン)の併用かミコフェノール酸モフェチル(セルセプト)、第二選択にリツキサン(リツキシマブ)、第三選択でミトキサントロン(ノバントロン)、それ以外のオプションとして定期的な血漿交換やIVIGが期待されるというお話で、非常に臨床的に役立つお話でした。

f0183250_196271.jpgHo Jin Kim先生は100人以上のNMO患者さんを治療されていますが、30人の患者に対してリツキサンを投与されており、その有効性を報告されました。この内容はつい最近のArchives of Neurologyに掲載されています。頻回に血中のメモリー型B細胞を測定し、その割合が0.05%を超えたところで、少量のリツキサンを追加投与し続ける方法で、年間のリツキサン使用量の減少と、著明な再発予防効果が得られるという報告です。今後のスタンダードな投与方法になりそうですが、高価なのと、長期的な安全性についての懸念があるので、第一選択にはならないとのことでした。

日本からは、京大の小森先生、千葉大の鵜沢先生、近大の宮本先生、埼玉医大の王子先生、精神・神経センターの千原先生、阪大の木下先生の6人の先生方に研究内容をご発表いただきました。いずれのご発表もすごくまとまっていて分かりやすく、海外からの先生たちと白熱した議論が出来てよかったと思います。

会議は昼過ぎから5時間続きましたが、その後も午後9時くらいまで、ホテルのラウンジで食事をしながら議論が続きました。多くの参加者が最後まで残って情報交換することができた様子で、有意義な1日になれたのではないかと思います。


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by multiplesclerosis | 2011-07-17 19:16 | 講演会報告
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