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第9回MSワークショップ

f0183250_21283059.jpg7月31日と8月1日の1泊2日で、仙台エクセルホテル東急を会場に第9回MSワークショップが開催されました。
主に多発性硬化症の臨床に関わる全国の専門医が70名ほど集まり、2日間濃厚なディスカッションが繰り広げられました。

初日は午後から、MSの対症療法に関するグループディスカッションがあり、すべての参加者を6グループに分けて、それぞれ「痙性・痙攣・振戦」、「うつ・精神障害」、「認知機能障害」、「排尿障害・便秘」、「性機能障害」、「疼痛・感覚障害」について現状と問題点、治療法などについてまとめました。どのグループも1か月くらい前からかなりの調査をしてくれていて、夕方の最終発表はいずれの発表もとても熱意を感じましたし、勉強になるものばかりでした。


f0183250_21292122.jpg対症療法はエビデンスを作るのが難しく、研究対象にもなりにくいため、大きな学会で取り上げられることは少ないテーマです。今回多くの専門医が集まった中でかなりの時間を割いて討論出来たのはとても有意義であったと思います。患者さんのQOLは病気の後遺症の程度に依るところが大きく、対症療法は急性期の抗炎症療法や進行抑制の免疫調整療法以上に大切であることは誰しも認識しているところです。
関連して、教育講演として滋賀医科大学泌尿器科の荒木勇雄准教授に神経因性膀胱のお話をいただきました。


f0183250_2272667.jpg2日目は、「インターフェロンベータの適正使用を考える」というテーマでパネルディスカッションを行いました。事前に参加者にご自身のMS診療に関するアンケートを施行し、その集計結果を基にパネリストを中心に議論を交わしました。

主な論点は、CISからの治療開始の是非とその適応病態でしたが、診断基準の問題、特定疾患申請の問題、病型の問題、抗アクアポリン4抗体測定の問題など、単純には片づけられない問題が多く存在しています。今回のディスカッションで、専門医の間でもその対応が異なる場合があるのがよくわかりました。どれが正しくてどれが間違っているということではありませんが、患者さんとよく話し合って、お互いが納得できる治療方針を決めることが最も大事であると皆さん思っているのは確かです。

今回のパネルディスカッションにおいて、多くの専門家の共通した意見として、1.MSであっても抗アクアポリン4抗体の測定は一度はしておくべきである、2.脳に10個以上の病変があり、オリゴクローナルバンド陽性のようなMSを強く疑うCISは早期にインターフェロンを開始するべきであり、それが可能となる診断基準や特定疾患申請基準を作成するべき、3.抗アクアポリン4抗体陽性の患者さんに新規にインターフェロンを導入するのは避けるべき、などがありました。

例年ですとこの時期の仙台は全国の先生方にとっては避暑になるはずでしたが、今年は例年よりも気温が5℃以上高く、今日も蒸し暑い真夏日でした。


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by multiplesclerosis | 2010-08-01 22:09 | 学会報告
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