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第51回日本神経学会総会

f0183250_23213514.jpg 東京国際フォーラムで第51回の日本神経学会総会が開催されています。今年の学会では日本神経学会設立50周年式典があり、同時に50周年記念祝賀会も行われました。
 2日目の今日はMS/NMOの口演セッションが1つと、ポスターセッションが2つ、NMOの教育講演が1つ、イブニングセミナーでMS治療ガイドラインに関するディベートセッションが1つありました。
 教育講演では九州大学の吉良教授による抗アクアポリン4抗体の意義に関するお話があり、フィリピンなどでかつて高頻度に発症がみられたBalo病の病理でアクアポリン4の欠失がみられるというご報告がありました。Balo病とNMOの病態における類似性の可能性が示唆されるなど、非常に興味深い内容でした。
 イブニングセミナーでは、新しいMS治療ガイドラインの疑問点や問題点がディスカッションされました。帰りの新幹線の都合で最後まで参加できませんでしたが、NMOの診断、治療に関してはまだまだ問題が多いと感じました。
 吉良教授や金沢医大の松井教授は、長い脊髄病変などのNMOの特徴を示す抗アクアポリン4抗体陰性症例で、インターフェロンβ導入を躊躇する風潮を危惧されているようでしたが、根拠とされているデータの抗アクアポリン4抗体測定法の感度の問題については全く触れられていませんでした。メーヨークリニックの免疫組織化学法など、感度の低い測定法で抗アクアポリン4抗体陰性と判定されるNMOでインターフェロンβが導入されることのないように注意することも重要だと思います。NMOでもインターフェロンβが効果を示す場合もあり得るとのことでしたが、多くがプレドニゾロンとの併用でのことであり、再発しないことが有効であるとする根拠にはならないことに注意する必要があります。
 今日のポスターセッションでは、九州大学でも抗アクアポリン4抗体の測定系の改良をされて以前より随分と感度が上がっているようにも見受けられました。早いうちに、当院での測定法に匹敵する高感度な抗アクアポリン4抗体測定が標準化され、抗体測定の重要性がより認識されることを望むばかりです。くれぐれも感度の低い検査方法が標準化されないように注意して頂きたいものです。


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by multiplesclerosis | 2010-05-20 23:22 | 学会報告
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