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HTLV-1関連脊髄症とNMOの合併

山口大学神経内科の古賀先生による症例報告が日本内科学会の英文機関誌であるInternal Medicineに記載されました。
視神経炎もしくは脊髄炎を4回繰り返している症例で、血清および髄液中の抗HTLV-1抗体が陽性のため、急性HAM(HTLV-1関連脊髄症)の診断でインターフェロンαの治療も受けていた症例の報告です。

脊髄には中心部に長い病変が存在して委縮があり、脳にも脳梁や側脳室周辺に点状の病変が散在していましたが、髄液のオリゴクローナルバンドは陰性だったそうです。
4回目の再発時に血清抗アクアポリン4抗体が当院で測定され、32,768倍という非常に高値で陽性であることが判明し、NMOと診断されています。

HAMはHTLV-1ウイルス感染によって慢性的な脊髄障害が進行し、痙性対麻痺とよばれる下肢のつっぱりや排尿障害が悪化していく病気で、血清および髄液抗HTLV-1抗体が陽性であることが診断には重要です。HAMのうち、比較的急性に発症する症例が過去に報告されており、急性HAMと呼ばれていましたが、これらの症例の中にNMOが紛れているのではないかと考察されています。

HAMにおいて、ウイルス量を減らす目的でインターフェロンαが用いられることがありますが、NMOの合併例における使用には注意する必要があります。

Koga M, Takahashi T, et al. Neuromyelitis optica with HTLV-1 infection: different from acute progressive HAM? Intern Med. 2009;48(13):1157-9.


by multiplesclerosis | 2009-07-04 16:48 | 文献
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