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MSにおけるオリゴデンドロサイト前駆細胞異常

慶應大学の中原仁先生がJournal of Clinical Investigationに、WCTRIMSでも発表されたとてもセンセーショナルな研究成果を発表されました。

これまで、MSの原因は自己免疫が引き金となった炎症が中枢神経で繰り返されるものと信じられてきましたが、もしかしたら、MS患者では髄鞘を再生する仕組みに根本的な問題があるのかもしれないという論文です。

一般的に髄鞘は自己再生が可能であり、健常人では常時傷ついた髄鞘がオリゴデンドロサイト前駆細胞によって修復されていますが、MSのオリゴデンドロサイト前駆細胞ではTIP30という蛋白質が異常発現しているために、その修復機構が妨げられている可能性を示唆しています。

今後、オリゴデンドロサイト前駆細胞におけるこのTIP30の発現亢進を防ぐ方法を見出すことで、MSの根治に繋がる治療法が開発されるかもしれません。

Nakahara J, et al. Abnormal expression of TIP30 and arrested nucleocytoplasmic transport within oligodendrocyte precursor cells in multiple sclerosis. J Clin Invest. 2008 Dec 22. pii: 35440. doi: 10.1172/JCI35440.
by multiplesclerosis | 2008-12-30 22:07 | 文献
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